矢野産info, 培養室から

当院で実施している男性不妊治療について

男性不妊の治療について

(2022/5/24投稿  2022/6/21内容一部更新)

不妊症の48%が夫(男性側)に原因があると言われています。

男性不妊は難治性の場合が多く、生活改善やサプリメントなどで精液や精子の状態を改善しながら、人工授精(AIH)あるいは顕微授精(ICSI)による生殖医療(ART)を行ないます。

2022年4月より、自費診療(助成金制度による)であった不妊治療に対して保険が適用されるようになりました。それに伴い、男性不妊の患者様にも保険が適用される検査や治療が増えました。

当院では愛媛県内で不妊治療に熱心な泌尿器科専門医と連携して、高度な男性不妊治療に対応しています。(連携医については下部をご覧ください)

 

男性不妊の原因

①造精機能障害(82.4%):精子を作る機能が低下

②性機能障害(13.5%):性行為(勃起や射精など)が困難

③精路通過障害(3.9%):精子の通り道(精管、精嚢、精巣上体など)の障害


保険の適用される検査と治療

◎ Y染色体微小欠失検査

血液検査により、Y染色体の遺伝子を調べて造精機能が保たれているか検査します。

費用:11,310円

Micro-TESE(MD-TESE:顕微鏡による精巣内精子回収術)

精巣に小切開を加えて精管内の精子を採取します。

適応:無精子症の患者様

費用:73,800円

なお、術前検査・麻酔料・日帰り入院費などの追加はあります。


保険の適用外(自費)の検査と処理

精液中酸化ストレス度検査:酸化ストレス検査

精液中の酸化ストレス度を調べます。酸化ストレスは精子のDNA損傷の主な原因と言われており、「陽性」と判定された患者様では精子機能(卵子への受精能)の低下が疑われます。

検査料:5,000円

 

精子DNA断片化指数(DFI)検査:DFI検査

精子のDNA損傷の程度と未熟精子の割合を調べます。DFIが高いと卵子への受精率が低下するので、顕微授精(ICSI)が必要となります。射出された精液検体で検査できます。

検査料:10,000円

 

高度な精子調整

新しい精子調整用器具(ZymotTMあるいはミグリス)を用いて、酸化ストレスが「陽性」の方を対象に良好精子を調整します。

処理費用:10,000円~ 30,000円

PICSI(ヒアルロン酸を用いた高度精子選別方法)

対象となる患者様:顕微授精で治療中の患者様

正常な精子がヒアルロン酸に反応する技術を応用して、精子を選別してICSIを行っていく治療法です。通常の顕微授精をされても結果に繋がらない方などを対象をしています。先進医療として、愛媛県では当院のみ認定されています(先進医療認定施設一覧)(2022/6/15現在)

料金:22,000円


連携している泌尿器科施設

重信クリニック(東温市志津川)佐々木豊和副院長

ほこいし医院松山市柳井町)  鉾石文彦院長

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