今回は保険適応とはならなかったですが、優れた検査や治療をご紹介します。
1.子宮内膜の環境検査(Endome TRIO:トリオ):
子宮内膜を少しだけ採取して遺伝子学的なゲノム検査を行ないます。以下の3種類の検査を行ないます。
・子宮内膜着床能検査(ERA:エラ):
それぞれの患者さんに最適な「着床の窓」(胚受容期)を調べます。検査で示されたタイミングで移植します。
・子宮内膜マイクロバイオーム(細菌叢)検査(EMMA:エマ):
受精卵が着床するために必要な乳酸菌(ラクトバチルス)を調べ、不足していたら補充します。
・感染性子宮内膜炎検査(ALICE:アリス):
着床を阻害する子宮内膜の荒れ(慢性子宮内膜炎など)の原因菌を網羅的に調べて、適切な治療薬(抗菌剤)を選択します。
2.着床前診断(PGT):
流産を繰り返す不育症の患者さんに主に行なわれます。受精卵の一部の細胞を採取し、ゲノム検査により染色体の異常を調べます。
3.PFC-FD療法:
子宮内膜が未熟な着床不全の患者さんに行ないます。血液中の成分を子宮内腔に注入し、子宮内膜の状態を改善する治療です。