補足資料Supporting Material
高度生殖補助医療についての補足資料です。
体外受精を行われた方・これから体外受精を検討されている方はご参考ください
卵子についてAbout Ova
採卵できたから必ず受精操作できるという訳でもありません。
採れた卵子が成熟卵であることが受精操作を行うには必須です。
受精操作できない
受精操作できる
精子調整についてSperm Adjustment
原精液中には、奇形精子や不動精子、細胞なども含まれています。受精操作を行うに当たって、良好精子を集めるために精子調整を行っています。
精子数や運動率等の検査を行ってから各患者様に適した調整方法にて良好精子を集めています。
当院で主に行っている精子調整方法は密度勾配遠心法とスイムアップ法です。
密度勾配遠心法
スイムアップ法
ZyMot法(先進医療)
遠心処理を行わず、良好精子を回収する方法です。
先進医療の1つで実施するには別途料金が必要になります。
特殊な膜を通過できた精子のみを回収するため遠心処理による物理的なダメージを受けずに良好精子を回収できるメリットがあります。
希望される場合は事前にスタッフまでお声掛けください。
※なお、精子数や運動性によっては対象外となります。
胚の分割Embryo Division
体外受精や顕微授精で受精操作を行った翌日以降の様子です。
タイムラプスモニタリングシステムという培養器で受精卵を培養させると、培養器から外の環境に出さずに胚の成長の様子を観察することができます。
ガードナー分類とはGardner's classification
凍結胚移植を行う方は胚盤胞期に一度胚の凍結を行います。世界的基準である「ガードナー分類」で評価を行っています。
ガードナー分類とは胚盤胞腔の広がり・孵化の程度をみて1~6段階のスコアをつけます。また、スコア3以上は細胞数もみてA~Cの3段階で評価しています。
この評価を行うことで次回融解胚移植を施行する際にどの胚を融解するかの参考になります。
細胞の評価
グレードを判定する際、内細胞塊・栄養外胚葉の細胞の様子も評価します。
- 細胞同士が密で細胞数が多い
- 細胞同士の接着が粗で細胞数が少ない
- 細胞数が非常に少ない
拡張胚盤胞で内部細胞塊の細胞が粗で細胞数は少なめ、 栄養外胚葉の細胞は密で数も多い
孵化後胚盤胞で内部細胞塊の細胞が極めて少ない、 栄養外胚葉の細胞は粗で細胞数は少なめ